擁壁の費用はいくら?1㎡3万〜5万円、L型の例と建築確認・補助金
この記事のポイント
- 擁壁工事の費用は、1㎡あたり約3万〜5万円が目安です。業者によっては3万〜13万円と幅を持たせて公表している場合もあります(比較サイトの公開相場)。
- 高さ2m・長さ25m(50㎡)のL型擁壁の見積もり例は、掘削・基礎、擁壁、重機の回送、諸経費を合わせて183万7,000円です(比較サイトの掲載例)。
- 高さ2mを超える擁壁は、建築基準法の工作物として建築確認申請が必要です(建築基準法施行令第138条)。
- 横浜市は、がけ地の擁壁工事に対象工事費の3分の1(限度額400万円)を助成しています。交付決定の前に契約・着工すると使えません。
擁壁工事の費用は、1㎡あたり約3万〜5万円が目安です(比較サイトの公開相場)。業者によっては1㎡あたり3万〜13万円と幅を持たせて公表している場合もあります。高さ2m・長さ25m(50㎡)のL型擁壁の見積もり例は、183万7,000円です。擁壁は、高低差のある土地で土が崩れないように支える壁で、高さ2mを超えると建築確認が必要になり、市によっては工事費の一部を助成しています。
擁壁工事の費用は1㎡あたりいくら?
擁壁(ようへき)とは、高低差のある土地で、土の重さ(土圧)を受け止めて崩れないように支える壁のことです。費用は、高さ(見えている面の面積)で比べるのが一般的です。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 擁壁工事(全体の目安) | 1㎡あたり約3万〜5万円 |
| 業者によって公表している幅 | 1㎡あたり3万〜13万円 |
| 補修・メンテナンス | 1㎡あたり1万〜2万円 |
| 残土の処分(問題のない土) | 1㎥あたり6,000円程度 |
出典:比較ビズ「擁壁工事の費用相場は1平方メートルで約3〜5万円」(2026年5月28日更新。比較サイトの公開相場。2026年10月23日に確認)
同じ記事では、汚染された残土は浄化費用が加わり、1㎥あたり4万円になることも少なくないとされています。
L型擁壁の見積もり例(高さ2m・長さ25m)
| 項目 | 単価 | 数量 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 掘削・基礎工事 | 1mあたり6,000円 | 25m | 15万円 |
| L型擁壁 | 高さ2m×横1mあたり5万5,400円 | 25 | 138万5,000円 |
| 重機の回送費 | 4万5,000円 | 3回 | 13万5,000円 |
| 現場の諸経費 | 10% | — | 16万7,000円 |
| 合計 | — | — | 183万7,000円(1㎡あたり約3万6,740円) |
出典:比較ビズ「擁壁工事の費用相場は1平方メートルで約3〜5万円」の見積もり例(2026年5月28日更新。比較サイトの掲載例。2026年10月23日に確認)
L型擁壁は、工場で作ったコンクリート製品(プレキャスト)を据えるものと、現場で鉄筋を組んでコンクリートを流すものがあります。
L型・RC・間知ブロック、擁壁の種類と費用の違い
| 種類 | どんな擁壁か | 費用の傾向 |
|---|---|---|
| L型擁壁 | 断面がL字の鉄筋コンクリートの壁。底の部分で土の重さを受けて支える | 高さ2m×横1mあたり5万5,400円の例あり |
| RC擁壁(鉄筋コンクリート) | 現場で鉄筋を組み、コンクリートを流して作る | 高額とされる |
| 重力式擁壁 | コンクリートの重さで土を支える | 高額とされる |
| 間知(けんち)ブロック擁壁 | 四角すいのコンクリートブロックを斜めに積む | コンクリート擁壁よりやや安いとされる |
出典:比較ビズ「擁壁工事の費用相場は1平方メートルで約3〜5万円」(2026年5月28日更新。比較サイトの公開相場。2026年10月23日に確認)
RC擁壁と間知ブロック擁壁の1㎡あたりの金額は、確認した出典には載っていませんでした。種類による差は、同じ高さ・長さで種類ごとの見積もりを取って確かめてください。古い大谷石(おおやいし)の擁壁や、ブロックを積み増しした擁壁は、今の基準に合っていないことがあります。土地を買う前や、家を建て替える前に、擁壁の状態を専門家に見てもらうと安心です。
擁壁のやり替え・撤去の費用は?
比較サイトでは、作り直しの費用は新設工事と同じくらいとされています。これに、既存の擁壁の解体費用が加わります。解体費用は「少なくとも数十万円から数百万円」とされ、具体的な金額は高さ・長さ・重機が入れるかで変わります(比較ビズ)。1㎡あたりの解体費用は確認した出典には載っていなかったので、見積書で解体・撤去と処分が別の項目になっているかを確認してください。
擁壁に建築確認申請は必要?がけ条例とは
高さ2mを超える擁壁は建築確認が必要
高さが2mを超える擁壁は、建築基準法の「工作物」として、建築確認申請が必要です(建築基準法施行令第138条第1項)。
出典:大田区「工作物の確認申請について(種類、手数料)」(2026年10月23日に確認)
盛土規制法の規制区域では許可が必要な場合がある
宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)は、2023年5月26日に施行されました。都道府県などが指定した規制区域の中では、一定の規模の盛土・切土などの工事に許可が必要です。たとえば仙台市の案内では、宅地造成等工事規制区域の中で、盛土で高さ1mを超える崖ができる工事や、切土で高さ2mを超える崖ができる工事などが許可の対象とされています(仙台市「盛土規制法に基づく工事の許可、届出の対象となる行為」2025年12月1日更新。2026年10月23日に確認)。規制区域は都道府県などが指定するので、お住まいの場所が規制区域か、工事に許可がいるかは、都道府県・市の盛土規制法の窓口で確認してください。
出典:国土交通省「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)について」(2026年10月23日に確認)
がけ条例:がけの近くに家を建てるとき
がけの近くに建物を建てるときは、都道府県などの条例(通称「がけ条例」)で、擁壁の設置などを求められることがあります。東京都の例では、建築安全条例第6条で、がけの高さの2倍以内に建物を建てる場合に規定がかかり、2倍を超える範囲なら規定はかかりません。規制の範囲内なら、がけと建物の間に道路や隣の建物があっても対象になります。
出典:大田区「建築敷地ががけに近接している場合」(2024年2月22日更新。2026年10月23日に確認)。条例の内容は都道府県・市によって違います
擁壁工事に使える補助金は?(横浜市の例)
がけ崩れを防ぐための擁壁工事に、助成金を出している市があります。横浜市には2つの制度があります。
| 制度 | 助成額 | 限度額 |
|---|---|---|
| 崖地【防災】対策工事助成金 | 次のうち少ない額:対象工事費の3分の1/市が工法別に定めた単価で計算した額 | 400万円 |
| 崖地【減災】対策工事助成金 | 次のうち少ない額:対象工事費の2分の1/市が工法別に定めた単価で計算した額(一部の工法) | 100万円または50万円(工法による) |
出典:横浜市「崖地【防災】対策工事助成金制度について」「崖地【減災】対策工事助成金制度について」(いずれも2026年9月4日更新。自治体。2026年10月23日に確認)
- 対象になるがけ:地盤面からの高さが2mを超え、傾斜が30度以上で、崩れると建物や道路などに被害が出るおそれがあるがけ(擁壁などの人工のがけを含む)。
- 単価(令和8年度):擁壁を築く工事は、垂直に見た面積1㎡あたり11万円です。
- 申請の時期:令和8年度は4月13日から受付、交付申請の期限は12月28日の予定です。
- 注意:交付決定の前に工事の契約や着工をすると使えません。減災の制度は、建築基準法と盛土規制法の手続きが原則いらない工事で、市内に本社のある事業者との契約が条件です。
- 問い合わせ:横浜市 建築局企画部建築防災課(電話 045-671-2948)
神奈川県のホームページには、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・鎌倉市・逗子市・秦野市・厚木市・葉山町・松田町・愛川町の、がけ地に関する助成制度がまとめられています(神奈川県「市町のがけ地に関する助成金制度」2026年7月22日更新)。ほかの市の制度は市の補助金でも順に確認していきます。
見積もりを比べるときのポイント
- 擁壁の種類(L型・RC・間知ブロック)・高さ・長さが書かれているか
- 掘削・基礎・擁壁本体・残土の処分・重機の回送が分かれているか
- 既存の擁壁の解体・撤去が含まれているか
- 建築確認や盛土規制法の手続きと費用、誰が申請するか
- 補助金を使う場合、交付決定の前に契約しないスケジュールになっているか
手元の見積もりがあれば、見積書チェックで相場の幅と比べられます。古いブロック塀の撤去に使える補助金はブロック塀の撤去と補助金にまとめています。
よくある質問
擁壁のやり替えにはいくらかかりますか?
比較サイトでは、作り直しの費用は新設と同じくらいとされています。これに既存の擁壁の解体費用が加わり、「少なくとも数十万円から数百万円」とされています。補修やメンテナンスなら1㎡あたり1万〜2万円が目安です。
擁壁に建築確認は必要ですか?
高さが2mを超える擁壁は、工作物として建築確認申請が必要です(建築基準法施行令第138条)。宅地造成及び特定盛土等規制法の規制区域では、盛土や切土をともなう工事に許可が必要な場合もあります。設計の段階で、市の建築指導や開発の窓口に確認してください。
がけ条例とは何ですか?
がけの近くに建物を建てるときのルールを定めた、都道府県などの条例の通称です。たとえば東京都では、建築安全条例第6条で、がけの高さの2倍以内に建物を建てる場合に擁壁の設置などを求めています。内容は地域によって違います。
擁壁工事に使える補助金はありますか?
一部の市にあります。横浜市の「崖地【防災】対策工事助成金」は対象工事費の3分の1・限度額400万円、「崖地【減災】対策工事助成金」は2分の1・限度額100万円または50万円です。神奈川県のホームページには、がけ地の助成制度がある11の市町がまとめられています。
参考にした情報
- 比較ビズ「擁壁工事の費用相場は1平方メートルで約3〜5万円」(2026年5月28日更新)
- 大田区「工作物の確認申請について(種類、手数料)」
- 大田区「建築敷地ががけに近接している場合」(2024年2月22日更新)
- 国土交通省「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)について」
- 仙台市「盛土規制法に基づく工事の許可、届出の対象となる行為」(2025年12月1日更新)
- 横浜市「崖地【防災】対策工事助成金制度について」(2026年9月4日更新)
- 横浜市「崖地【減災】対策工事助成金制度について」(2026年9月4日更新)
- 神奈川県「市町のがけ地に関する助成金制度」(2026年7月22日更新)
価格や補助金の条件は変わることがあります。最新の情報は、メーカー・販売店・自治体の公式ページでご確認ください。
この記事の更新履歴
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次に数字を見直す予定:2027年4月ごろ
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この記事を書いた人
メーカーの公表価格、販売店・比較サイトの公開相場、自治体の補助金の公式情報を確認しながら、外構工事の費用を整理しています。金額には出典と確認日を書き、定期的に見直します。